フレーミング効果とは、プロスペクト理論(損失回避の法則)に基づいた「印象操作理論」のことです。
- 損失回避の法則…損得で考えるとき、損を避ける心理、「行動選択理論」
- フレーミング法則…印象を変える「印象操作理論」
なるほど。でも、もう少し分かり易く知りたい。フレーミング効果もだけど、この際まとめて損失回避の法則も知りたい。
という声に以下で答えます。
【記事で分かること】
- フレーミング効果とは?
- 印象を大きく操作する理由
- 損失回避の法則とは?
世間の見え方が変わります。知らないと「損」するかも。
フレーミング効果とは?
フレーミング効果とは、表現方法を変えるだけで同じものの印象が変わることです。1981年、ダニエル・カーネマン氏とエイモス・ヴェルスキー氏が実験をもとに発表しました。
フレーミング効果の実験:アジア病問題
「アジア病の流行で600人が命を落とす予想」という前提で、同じ提案を違う表現方法で伝えたときの学生の反応を見ました。
(1つ目の学生グループにポジティブな表現)
- 対策A:200人が助かる
- 対策B:1/3の確率で600人が助かるが、2/3の確率で助からない
対策Aを選んだ学生は全体の72%でした。
次に同じことでも表現方法を変えてみました。
(2つ目の学生グループにネガティブな表現)
- 対策C:400人が命を落とす
- 対策D:1/3の確率で誰も命を落とさないが、2/3で600人全員が命を落とす。
対策Dを選んだ学生は全体の78%でした。対策AとBを、対策CとDの表現に変えただけでこのような結果になりました。
この実験で、損失を避けて利益を優先しようとする人間の心理が発見されました。
フレーミング効果は印象操作理論ですね。
フレーミング効果が印象を大きく操作する理由
フレーミング効果は印象を大きく操作する、「印象操作理論」です。
理由は具体例をみれば分かり易いです。
次のいくつかの具体例をご覧ください。
フレーミング効果でよくある具体例1:商品販売
使用するとメリットがあると宣伝した推進商品
- 表現A:ユーザーの90%が満足しています。
- 表現B:ユーザーの10%は満足していません。
表現Aのようにすると、商品を買うメリットがあると判断しそうです。
それでは、次の表現方法はどうでしょうか。
使用しないとデメリットがあると宣伝した予防商品
- 表現C:ダイエットに効果があります。
- 表現D:肥満は病気の原因になります。
表現Dのようにあえてデメリットを出した方が、商品を買うメリットがあると判断しそうです。
フレーミング効果でよくある具体例2:時間
時間にギリギリ間に合わないと仮定したときの連絡
- 表現A:5分遅刻しそうです。
- 表現B:30分遅刻しそうです。
表現Bで連絡して5分遅れた場合、「予定より早く着いた」とポジティブに捉えられます。遅刻せず間に合った場合は喜ばれそうですね。
「時<分<秒」の表現の工夫でも変わると言われます。
- 表現A:駅から1分30秒
- 表現B:駅から90秒
どっちが心理的に近く感じますか?
パッとした理屈でメリットに見せるか、マイナスに見せるかでこんなにも印象が変わります。
損失回避の法則とは?
損失回避の法則は簡単に言ってしまえば「損したくない」と行動選択する人間の心理のことです。プロスペクト理論に基づく「行動選択理論」です。
※「損をしたくない」という無意識の気持ちが行動や選択に影響を与える心理をプロスペクト理論と言います。
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購入して「損をしたくない」という心理に安心を与えます。
ちなみに、これらには保有効果という心理も作用しています。以下の参考記事では、損失回避の法則についても触れています。
- オプション
- 限定
一見すると「得」に感じますが、実は「損したくない」心理をくすぐっています。
- 購入すると1つおまけがついてきます。…おまけを「損したくない」
- 2つ買うと半額です。…半額を「損(逃)したくない」
このように、損失回避の法則が働いています。
「商品」を手にするとき、当然ですが「お金」が手元から消えます。商品とお金を天秤にかけたとき、「商品に価値が傾く」ようにマーケティングされているのです。
以下ではさまざまな購買意欲が湧く「価格設定」を説明しています。
まとめ
フレーミング効果とは?
フレーミング効果は印象を大きく操作することです。
印象を大きく操作する理由
具体例②:時間
- 表現A:駅から1分30秒
- 表現B:駅から90秒
このように、同じことでも心理的に大きく操作されるのが理由です。
損失回避の法則とは?
簡単に言ってしまえば「損したくない」と行動選択する人間の心理のことです。
以上でまとめです。
それでは、最後までご覧くださりありがとうございました。
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