ワーキングメモリを鍛えるなら少ない容量で記憶すればいい

潜在能力
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ワーキングメモリを鍛える方法は、少ないワーキングメモリの容量で作業を記憶するか、容量そのものを増やすかのどちらかになります。

ワーキングメモリについて簡単に説明した後で、詳しい内容について触れています。

※目次から「ワーキングメモリを鍛える方法」に飛ばし読みできます。

今回は、ワーキングメモリとワーキングメモリを鍛える「容量」についてご紹介します。

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ワーキングメモリとは

ワーキングメモリとは、計画や行動を記憶しておくために必要な脳の働きのことです。発達心理学によれば、「ある情報を短い時間に頭の中に保持しつつ、他の作業を同時処理する能力」を指します。

例えば、次の英文(外国語)を英語に慣れた人が読んだとき、英文全体の意味を理解するようなことです。

The company has to find Mr. Zenon’s replacement as CEO.

(その会社はぜのん氏の後任者となる代表取締役を見つけなければいけない。)

英語に慣れた人は、各単語の意味を覚えているので「こう言いたいんだな、ふむふむ」と頭の中で次のことを同時処理して理解します。

  1. 単語
  2. 文法
  3. 英文

このように、各英単語と文法でできた英文を1つのスクリプト(手順)として理解します。また、意味を忘れた単語や聞き慣れない言葉、例えば「replacement(後任者)」が出てきても、英文全体を読んで「なんか会社が新しい代表取締役を見つけないといけないのかな。」と応用して考えることができます。

一方で、英語にあまり慣れていない人の場合は、「えーと、この単語の意味はこうで、ここで使われる文法はこういう流れで。。」と各英単語の意味を思いだしながら文法を把握、さらには英文を理解しなければいけません。

  • 各英単語の意味を知る。
  • 各文法の意味を知る。
  • 英文全体を読む。

このように「1.単語」で、上記のような3つのことを頭の中でさらに同時処理しながら「2.文法」、最終目標「3.英文」の理解に至るまで同時処理しなければなりません。

つまり、英語に慣れていない人は単語や文法、英文に触れる経験頻度(記憶定着度)が少ないのです。当然スクリプト(手順)もできていません。

どちらも「英文」読解という目標を頭に保持しつつ、同時処理をするという点では、ワーキングメモリの容量は同じですが、「単語や文法、英文」に慣れた人とそうでない人には、ワーキングメモリの負担の高低がありました。

このように、ワーキングメモリのパフォーマンス能力は「経験頻度で作られたスクリプト(手順)をいかに楽に覚えているのか」という容量の使い方に左右されています。

ワーキングメモリを鍛える方法

ワーキングメモリを鍛える方法は、経験頻度(記憶定着度)を増やし、一連のスクリプト(手順)として覚える容量を少なくすることです。

そもそもワーキングメモリの容量は少なく、限界があるため、記憶したい内容が複雑で多いと認知的負担がかかります。ワーキングメモリの容量コストを減らしたいのであれば、楽に記憶する方法で覚えることが近道です。

また、ワーキングメモリは短期記憶よりも短い記憶と言われていますが、鍛え方によって短期記憶から長期記憶にすることができます。

ワーキングメモリを鍛えるには、少ない容量で記憶すればいいです。鍛える方法(記憶術)を以下で3つご紹介します。

ユダヤの人の「ハブルータ記憶術」

ハブルータ(chavruta)とは、生徒が生徒に教えるように、学んだことを誰かに教えることで自分の記憶に落とし込む記憶術です。

約3,500年間の長い歴史を持つ、質問と討論を繰り返して戒律を深く学んで信仰を形成していったユダヤ人によって作られた「ハブルータ勉強法」です。

24時間後にどれほど記憶が保持されているか学習効率を調査したところ、授業をただ単に受けるような、「聞く・見る」という学習では、僅か記憶定着率は5%でした。

一方で、誰かに教えるような、「互いに説明する・他人に教える」という学習では、90%の記憶定着率となりました。

授業をただ受けるような学習や本をただ読むような学習法と、誰かに教えるようなハブルータ学習法(勉強法)を比べると、24時間後の記憶定着度の差は18倍(85%)もありました。

※独り言を言うことで自分に説明することも同様の効果を得られるようです。

脳は、インプットしている時より、アウトプットしている時に記憶定着が増加しています。親しい友人やクラスメイトと遊び感覚でハブルータ記憶術を使って、楽しくワーキングメモリを鍛えられるといいですね。

シャーロック・ホームズの「記憶の宮殿」

アーサー・コナン・ドイルの作品で登場する名探偵シャーロック・ホームズは、記憶したい重要なキーワードを「頭の中にある想像上の場所」に配置することで、膨大な情報を1つのスクリプトとして保存していたと述べられています。これが、シャーロック・ホームズの「記憶の宮殿」と呼ばれるものです。

この記憶の宮殿は、「場所法」と呼ばれることもあり、慣れ親しんだ場所や部屋を頭の中で想像して空間に存在する場所に記憶した情報を配置する記憶法です。

※場所法は、時間と定期的な練習が要るため全ての人に適するわけではないようですが、記憶の「ブースト」で並外れたパフォーマンスを出すには最適です。

記憶力は、ワーキングメモリ<短期記憶<長期記憶の順番で強くなります。ワーキングメモリは、経験頻度(記憶定着度)によって左右されます。

覚えたい分野で膨大な記憶を保持する「場所法」は、一連のスクリプト(手順)として覚えることができるので、ワーキングメモリの容量コストを減らすことに最適です。

「場所法」は、最近の研究では情報を覚えているときは長期記憶に関する脳の領域活動は減少していて、休憩中に長期記憶に保存する領域で脳との接続が増加していたとのことです。

「秒」単位の頻繁な脳の休憩

アメリカの国立衛生研究者らによると、スキル習得の合間に頻繁な「秒」単位の脳の休憩をはさむことがスキル上達のカギだと言われています。

長年、「スキルを習得しよう」と練習している瞬間に、上達の道を歩んでいるように思われてきました。

近年の研究によると、脳がボーっと休んでいるときの脳内では、スキル習得の練習中より20倍の超高速再生で反復練習をしているようです。

また、短い「秒」単位の休憩は、一晩の睡眠よりも効果的ということも言われているので驚きです。

ワーキングメモリが低下してしまう原因

複雑な計算をしたり、電話番号を瞬時に覚える作業では高い集中力が必要です。心配事によるストレスや、タスクの集中は頭がパンク状態になり、ワーキングメモリが低下してしまう原因となります。

普段なら問題なく記憶することも難しくなってしまいます。

睡眠不足による脳の疲れ(ストレス)は、ワーキングメモリを下げます。ストレスは記憶と関係がある脳の「海馬」を委縮し、前頭状皮質(ACC)と呼ばれる「自己制御力」に関係する場所の機能が正常に活動しなくなってしまいます。

睡眠は、記憶の定着や脳の休息の働きがあります。疲れたら早めの睡眠を心がけましょう。

ワーキングメモリの容量を増やす方法

ワーキングメモリの容量を増やす方法は、脳の前頭前野の体積を大きくすることです。

ワーキングメモリは一時的な情報を脳に保持して、処理する能力のこと。その記憶力は、短記憶よりも短いため、そもそもワーキングメモリの容量は少なく限りがあり、数字なら約7個、文字なら6個、単語ならせいぜい5語ということがMiller(1956年)の研究結果によって分かっています。

ワーキングメモリを鍛える方法で、楽に覚えて使われる容量のコストを減らす方法をご紹介しました。以下では、ワーキングメモリの容量そのものを増やす方法をご紹介します。

ワーキングメモリの容量が多い人は、脳の前頭状皮質(前頭前野)の体積が大きくポジティブ思考であることが判明しています。

前頭状皮質(ACC)とは、脳の最も前方にあるワーキングメモリに関係するところ。スティーブ・ジョブスは、「マインドフルネス瞑想」を行って、前頭状皮質(ACC)を鍛えたと言われています。

前頭状皮質(ACC)は、自己制御力の抑制を抑える役割があり、アルコール依存症や薬物依存症、ゲーム依存症、SNSによるスマホ依存症のリスクを管理します。

また、「瞑想」は、ストレスホルモン「コルチゾール」の過剰分泌を抑え、日常生活のケアレスミスなどを減らします。

※ワーキングメモリの容量は、少なからず増やすことが出来ますが、単に「鍛える」という方法を選ばずとも規則正しい生活を送っていれば良いようです。

ワーキングメモリをいつでもフル活用(ブースト)できる状態であることの方が重要かもしれません。

記憶術でもご紹介しましたが、「鍛える」時ではなく「脳が休息している」時に記憶は定着しています。また、人は眠っているときに、その日の莫大な情報を取捨選択して記憶の定着、脳の休息をしています。

ワーキングメモリを鍛える一番の方法が、実は「鍛える」より「脳を休憩させる」ことであれば、「ワーキングメモリを鍛えるなら少ない容量で記憶すればいい」ということになります。

まとめ

発達心理学によれば、「ある情報を短い時間に頭の中に保持しつつ、他の作業を同時処理する能力」をワーキングメモリと呼ぶ。

記憶の保持力は、ワーキングメモリ<短期記憶<長期記憶となる。

ワーキングメモリを発揮するには、経験頻度を重ねて一連のスクリプト(手順)へと変換し、ワーキングメモリの容量コストを減らすこと。

少ない容量でワーキングメモリを鍛える方法(記憶術)

  • ユダヤ人の「ハブルータ記憶術」
  • シャーロック・ホームズの「記憶の宮殿」
  • 「秒」単位の頻繁な脳の休憩

ワーキングメモリの容量を増やすには、「瞑想」がいいが、そもそもワーキングの容量は少なく限りがあり、数字なら約7個、文字なら6個、単語ならせいぜい5語となっている。

ワーキングメモリの容量を増やす方法は、「鍛える」<「脳の休息」。

今回は、ワーキングメモリを鍛える方法をまとめていきました。

Zenon’s Libraryでは、心理学・ライクハック・怖い話など人のフシギや健康に関するものを記事にしています。

最後までご覧くださりありがとうございます。

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