過去とは存在するのか証明

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過去とは存在するのか証明

過去とは、現在(今)という時間より以前の時のことを指す。文字通り既に過ぎ去った部分のこと。或いは、昔とも呼ぶ。対義語は未来。

ゼノン
ゼノン

対義語が未来というのは、少し奇妙です。現在に軸を置いて捉えているはずなのに、実に曖昧です。

今回は、過去は何処に存在するのか。どのような時に用いるのか、先人の力を借りて証明していきます。

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過去は存在するのか証明

ローマ帝国時代のキリスト教神学者アウレリウス・アウグスティヌが著書した「告白」によれば、すでに起きたことの記憶(想起)だと述べています。つまりるところ過去とは、記憶の中に存在するものです。

もう少し彼の言葉に近づけて表現すると以下のようになります。

過去・現在・未来という時があるのではなく、「実際には過去が現にあること、過去を現に心を描いていること」、現在の現在、未来の現在がある。

アウレリウス著書:「告白」第11巻

過去とは人の記憶に存在し、記憶そのものだと考えられます。

日本の哲学者、大森荘蔵(おおもり しょうぞう)氏も過去について述べていました。因みに彼は東京大学物理学部理学部卒業生です。後に東京大学講師に就任、東京大学教養学部教授になりました。過去の文章や言語を扱う学問という偏った捉え方をされていた「哲学」を一変する考え持つ哲学者でした。

彼によると、過去とは記憶(想起)で振り返る中にのみ存在するもとしています。また、記憶に関して、次のように捉えていました。

記憶(想起)とは過去経験の再生ではなく、記憶(想起)の様式が過去。

ゼノン
ゼノン

記憶は過去経験ではなく、記憶という様式。その認識の基、過去があるということでしょうか。少々難しいです。

彼が著作した「大森荘蔵著作集」全10巻の8巻目、「時間と自我」によれば、過去とは次のようなことを指すようです。

想起とは、知覚の想起であって知覚の再生ではない。海の青さを眼前に知覚することもできるが、それを灰色の都会の真中で想起することもできる。つまり、想起とは海の青さにかかわる今一つの経験の仕方として知覚と並ぶものである。一般的に言えば、一つの経験にかかわる様式には二つあって、その一つが知覚と行動の様式、今一つが想起なのである。

時間と自我

以上のことから、過去とは記憶の中にのみ存在しているということが分かりました。日本の哲学者大森荘蔵氏と、ローマ帝国時代のキリスト教神学者アウレリウスは共通して記憶(想起)の中にあるものだと認識していたようです。同様に過去・現在・未来というものは、人間の記憶に存在することだと理解できました。

ゼノン
ゼノン

ところで、冒頭で過去の「対義語は未来」とありましたね。

ということで以下では、未来という観点から過去は存在するのか追及していきます。

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一般的に未来とは、現在の次に来るもののようです。また、時間や物理法則が存在する限り未来というものは避けられないものとされています。宗教・哲学・化学などで様々に議論されていますが、完璧に定義づけるのは困難とされる存在のようです。

ネッコ
ネッコ

過去は能動的で、未来は受動的ということだね。

ゼノン
ゼノン

こんばんわ、ネッコさん。確かにそう考えられますね。

未来に類義語に予測があります。予測は天気予報・地震予知・交通計画といった分野でも用いられています。未来には、未知の要素が存在するためリスクがつきものとされています。未来を知りたいという人間の欲望の集まりが占いの起源ともされています。

以上から、未来の存在は不確かだと理解できました。存在して、存在していないようなもの。でも存在している不思議なものです。

恐怖する人
恐怖する人

私と同じだあああ!!

ゼノン
ゼノン

びっくりしました!でも確かにそうですね!

未来は過去の対義語と言えますが、共通点があります。未来は存在して、存在しないもの。そして、過去は記憶に存在し、存在は不確かなもの。つまり、存在して存在しないということです。

以上から、過去というのは記憶で作られた想起の産物。そして、未来も記憶で作られる想起の産物。対義語として使うには、あまりにも不確かすぎます。存在の証明をするために、現在という定義が作られたのかもしれません。

しかし、現在もまた、過去と未来がなければ存在証明できません。

三位一体ということになります

ネッコ
ネッコ

あれ?となると話が堂々巡りになるね。

ゼノン
ゼノン

一つを証明するには不確かな二つで証明するのだけれど、その二つもまた証明するには二つが必要ということです。分かりました、それでは、結論を出します。

ネッコ
ネッコ

ゴクリ…。

恐怖する人
恐怖する人

ゴクリ・・・。

ゼノン
ゼノン

結論!!分かりません!

ネッコ
ネッコ

ごろにゃあ~。

恐怖する人
恐怖する人

あああああああああ!

過去とは存在証明できないもの。でも確かに想起に存在するもの。想起は、経験で出来たものではない。これで落ち着きたいと思います。

まとめ

過去とは存在するのか証明

過去とは存在証明できないもの。でも確かに想起に存在するもの。想起は、経験で出来たものではない。

以上でまとめとなります。

《まとめの感想》

今回のテーマは無謀でした。一日で証明できるものではないでした。これからも証明できないかも知れません。

ゼノン
ゼノン

勉強します(泣)。

過去についてみなさんはどう思いますか。

それでは、最後までご覧くださりありがとうございました。

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