きさらぎ駅の発祥・内容・考察【urban legend】

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きさらぎ駅の発祥・内容・考察【urban legend】

 

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きさらぎ駅とは

インターネット上で15年以上たった現在でも話題になっている『きさらぎ駅』と呼ばれる都市伝説【urban legend】である。大型2ちゃんねるで、ハンドルネーム「はすみ」が「新浜松駅を出発してから電車の様子がおかしい」「きさらぎ駅に停車し、降りた」などと書き込み消息を絶った。

『きさらぎ駅』は2004年1月8日から9日にかけて、普段使っている遠州鉄道の電車に乗っていると5~8分間隔で停車するはずの電車が20分以上も走り続けた後、実在しない駅に停車したなどの書き込みから始まった都市伝説。ひらがなで「きさらぎ駅」と表記するのが一般的であるが、後の体験談や考察では「如月駅」や「鬼駅」などと表記された。また類似の架空駅を含む総称「異界駅」と呼ばれることがある。

発祥

2ちゃんねるのオカルト版「身のまわりで変なことが起こった実況するスレ」に2004年に寄せられた投稿が発祥の起源となる。

投稿者であるハンドルネーム「はすみ」が電車で帰宅中、車内の様子がおかしいことに気付き、電車から降り立った『きさらぎ駅』(実在しない無人駅)での不可解な出来事を実況することになる。また、その実況は車内から始まり、時間にして約4時間に及んだ。

投稿から15年以上たった現在でも、いまだに2ちゃんねる住民のみならず、大勢の人の興味をわかせ、伝説となっている。また、2015年にも同じような「きさらぎ駅」と思われる事件が、ツイッターで発生している。

きさらぎ駅のあらすじ

あらすじ:主人公・はすみが降り立ったのは見たことも、聞いたこともない無人駅『きさらぎ駅』。この駅までの経緯は前述したように、電車の様子がどこかおかしい上に、車内で停電したことから物語が始まる。

電車が停車し、仕方なく降車したのは良いものの、駅周辺は山と生い茂った草原。電車に乗ろうと駅で時刻表を確認するが見当たらない。おまけに乗車していた電車は発車してしまった。

どうやら、通称『きさらぎ駅』は無人駅。時刻は深夜24:36を指す。当然、タクシーも見当たらない。この駅から、帰宅することは無理と判断。はすみは、家族に迎えに来てもらおうと電話をする。しかし、返ってきた言葉は「そんな駅知らない」

きさらぎ駅の内容

リアルタイムで実況中のはすみ、及び2ちゃんねるの住民も『きさらぎ駅』をネットで検索すがヒットすることはなく、内容はまったくの皆無だった。

場所も分からない、人も見当たらない。駅周辺は山と草原。遂には諦めた様子のはすみ。線路を歩いて帰ることを決意する。線路は続いているので、歩き続ければいつかは見慣れた風景に出会い、帰宅できると考えたのだろう。時刻は深夜25:18を指す。
唯一助け船となる携帯電話。父親から着信が入り、居場所が分からず線路を歩いている旨を伝える。父親から「110番しろ」と言われ電話するも、警察には「いたずら電話だろ」と怒鳴られてしまう始末。
助け船の携帯電話も役に立たず、しょうがなく線路を歩き続ける。線路を歩いていると、どこか遠くの方から太鼓を鳴らすような音と鈴の音が聞こえてきた。それと同時に、背後から突然「線路を歩いたら危ないよ」という声。声の主は、駅員かもしれないと思い振り返る。しかしそこに立っていたのは、片脚だけのお爺さん。しかも、そのまま消えてしまった…。希望が絶たれた瞬間、目の前で起きた出来事に、はすみは恐怖した。

怯えながらも線路を歩き続けた。そのうち恐怖を煽るように太鼓の音がどんどん近づいてくる。そして、線路はトンネルにさしかかる。トンネルの名前は「伊佐賀」。トンネルを抜けると、誰かが立っていた。1月9日、時刻は27:10を指す。
事情を話すと、そこに立っていた男は「近くの駅まで送ってやる」と言った。男の話によると、その駅の近くにはビジネスホテルがあるらしい。詳しい場所を聞くと『比奈(静岡県富士市)』だという。そこは、はすみが普段乗車する新浜松駅から100キロメートル以上も離れている場所。
リアルタイムで実況を聞いていた2ちゃんねるの住民たちは流石に不審に思い「行くな!」と助言した。しかし、はすみは、車に乗ってしまった。
「車はどんどん山の方へ入っていく」と実況を続ける。口達者だった男は「どんどん無口になり、やがてぶつぶつと独り言を言うようになった」と、投稿もしている。
はすみは、違和感と不信感を徐々に抱き始めた。ここではすみの携帯のバッテリーが切れそうになる。「隙があったら逃げようと思う」「(携帯の)バッテリーがピンチです。これで最後にします」と打ち込んで、以後の書き込みは途絶えた。

「きさらぎ駅」の物語は幕を閉じた。

はすみからの投稿(7年経過)

きさらぎ駅の物語から7年が経過したある日(2011年)、「はすみ」からの書き込みがあった。そこには、物語のその後が記されていた。

ぶつぶつと独り言を言う例の男が森の中で車を停めたところ、突然光が見えたという。光の中から歩み寄ってきたひとりの男性。そして車に衝撃が…。気づくと、運転していた例の男は消えていた。光の中から現れた男性は「運転手は消した、今のうちに逃げるんだ」「光の方へ歩け」と「はすみ」に告げたという。

まぶしくなって目を開けた。そこは最寄り駅で両親が車から呼んでいた。この空白の7年間。「はすみ」は全く記憶がないと言う。

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似た体験

「はすみ」の投稿から二ヶ月後、きさらぎ駅に似た体験をした別の人物がいる。「電車で寝過ごした結果、きさらぎ駅に着いた」とツイートした。画像も添付されており、鉄道マニアたちは検証を開始。しかしこの騒動後、その人物のツイートは非公開され、アカウントも削除されてしまった。

その後も複数人から「きさらぎ駅に着いた」「グーグルマップに表示された」という投稿が重なり、実在しない駅『きさらぎ駅』は語り継がれている。ちなみに、遠州鉄道の関係者によると社内にも『きさらぎ駅』を知る者は多いと言う。しかし、その駅が存在しないことは紛れもない事実。同担当者は「沿線にある『さぎの宮駅』が『きさらぎ駅』のモチーフになったのではないか」と見解しているそう。

だが、それでも尚、存在するのではないかと思わせることが起きた…。

きさらぎ駅(2015年)

2020年10月21日に放送されたフジテレビ「世界の何だコレ⁉ミステリー」で異世界(きさらぎ駅)に迷い込んだ体験談(2015年)が話題となった。

あるツイッターのユーザーが投稿した不思議な話を元にしてVTR再現された。

2015年のある日。飲み会を終えた男が普段通る帰り道。いつもとは違う街の様子に違和感を感じ、写真を添えてツイッターで投稿したことから物語が始まる。

とりあえず、歩き続ける男性。やがて見慣れない小学校に辿り着く。すると突然、小学校の中からスーツを着た男が出てきた。男性に走り寄り「ダメだろ!こんなところにきたら!」と怒る。男性は状況があまりつかめないまま「すいません。」と弱弱しく男に平謝りしてその場を去る。

ツイッターに乗っかる人の手を借りて、なんとかしてこの場所から脱出をしようと試みる。投稿に集まった人たちは、手掛かりを探るべく周りの写真を挙げるように男性に伝える。男性が挙げたのは、一枚の公園の写真。しかし、何回撮っても上手く映らず公園は真っ暗で、写真の真ん中には赤い点が見える。

そうこうしていくらか歩いている間に、誰かに後を付けられている様子を男性は投稿する。そして、何者かと遭遇。男性は半狂乱になりながら正体不明の者から必死に逃げ、身を潜める。

身を潜めている間にも男性を探している何者かの気配を感じる。それと同時に街中にサイレンが鳴り、男性の名前を呼ぶ声が響き渡る。

 

次第に恐怖を感じつつ、男性は投稿を続ける。ここで、ツイッター民はある異変に気付く。

「投稿された時間と実際の時間がズレていること」「『きさらぎ駅』ではないかということ」「投稿された文字がところどころ文字化けしていること」に気づく。これはまずいと思ったツイッター民の1人が、メモ用紙に自分の名前や思い出せる範囲で現実世界の友人や場所などを書くことを提案。

この提案通りメモ用紙にひたすら書き殴る男性。そのことが良かったのか、文字化けしていた投稿も次第に落ち着きを取り戻してきた。

 

身を潜めていた彼だったが、この世界に来てから、光が漏れる扉に出会ったことを投稿する。そして、そこへ向かうことを告げる。「その場所から動いたらダメ」など相次ぐツイッター民の声を振り切り、男は来た道を探りながらその扉へ向かう。

道の途中、始めの方で見た公園に出会う。男性は始めは感じなかったが、その公園の先にある赤い点のようなものが、監視しているように感じた。また、公園は黒が増してより闇が深い。その公園から、小学校で出会ったスーツを着た男が走って男性を探しているのが見えた。

体を低くして、公園の様子を伺いつつ足早に扉へと続く道を探す。

すると、一番始めに見た小学校に出会う。男性は確実に迷い込んだ道の入口へと近づいていることを確信する。やがて、男性は光が漏れる扉を発見。

「そこに入ってはダメ」「はやく逃げて」「扉の向こうへ行くんだ!」など様々な投稿が男性にされる。同時に、何者かが走って男性に近づいてきている足音が聞こえる。

男性は「扉の中に入ります!」と呟いたのを最後に投稿が途切れる…。

 

いくらか長い時間が経過した。異世界に迷い込んだ男性から投稿があった。「目が覚めると自宅の中にいた」と呟く。心配していたツイッター民は安堵の投稿をする。

そして男性は扉に入った、その後の状況を説明をしだす。「扉を開けると、そこは光に包まれた空間で、どこか温かさと安心感を感じる場所だった」。

ここで、男性から携帯で撮った写真が投稿される。それは男性が、異世界に迷い混んだ時に書き殴ったメモ用紙だった。

メモ用紙に並べらた文字は、衝撃的なものだった。日本語でも英語でもない。どこの言葉か理解不能の文字が並んでいた。

これで、この物語は幕を閉じる。

考察

一般的にこの物語は、他のネット上の怪奇体験談と同じく実話の体裁をとったフィクションと考察されている。中には作り話であることを投稿者自ら明らかにしているものも存在する。ツイッターでは『きさらぎ駅』の体験談が写真付きで投稿されたこともある。しかし、後にその写真は実在する紀勢本線三瀬谷(みせだに)駅や赤穂線西相生(にしあいおい)駅などの写真であることが判明している。

 

筆者の考察は、前述されているようにフィクションではないと思います。発祥元の存在しない駅「きさらぎ駅」がネタとなり出来た作り話があり、そのフィクションである作り話の写真なども判明されてることも事実です。また、きさらぎ駅帰宅ラッシュなどで話題にされたこともありました。

このことから発祥元の「きさらぎ駅」の信憑性が薄まっています。しかし、2015年に、ある男性の身に起きた出来事と、「はすみ」が登場する物語の出来事には共通点があります。

一つ目が「入口」であることです。

どういうことかと申し上げますと、「はすみ」は一度寝てしまった。「ある男性」はお酒を飲んだ後だった、ということです。

つまりは、意識が曖昧であることです。

二つ目の共通点が「出口」です。

「はすみ」はトンネル、ではなく車。「ある男性」は扉。

目覚めのカギとなるのが意識が安堵した場所です。

疲れ果てて意識が薄まった状態、お酒を飲んで意識が遠のいた状態。意識が「曖昧」なところから異世界(白昼夢)へと入り、「はすみ」の場合は親の車で目覚め、「ある男性」の場合は自宅の扉を開け、物語が完結しています。

三つ目の共通点が「仕事帰り」です。

これは、一つ目と二つ目の深堀になってしまうのですが…。

いつも終電に乗っているほど忙しく、疲労困憊している仕事帰りの「はすみ」。仕事を終え、疲労困憊のあげく、飲み会の席で更にほどよく酔っ払った仕事帰りの「ある男性」。

この三つをまとめる”疲れきって、現実逃避したい”状態に脳があること。

人間は生命を維持するために、進化します。生活の過程で起きた災難に対して、身体(脳や体)が再び同じ災難に出くわしても対処するように作られています。本能に近いことです。

例えば、仕事の会議など面倒臭いと感じるとあくびがでてしまう、苦手な先輩や後輩と上手く接するために違う自身を演じる。筋トレで言えば、重い重量に耐え切れなかった故、超回復して筋肉が太くなったり、神経系が発達する。そうすることで、次、同じ重量が体に負担としてきても耐えられる。月曜の朝、仕事を仮病などの理由で、体と脳を休める。

人間は意識的に行動したり、無意識に行動したりします。よって、今回のこの2つの物語は、無意識に脳が防御反応起こしたことによる、現実に存在する、今だに知られていない現実の世界(白昼夢)ではないでしょうか?

7年間の記憶がないのは実際に白昼夢の中、失踪していたから。ある男性の場合は現実と白昼夢の境目の曖昧な意識の中、帰路についていたから。

発祥元の『きさらぎ駅』の写真や「伊佐賀」のトンネル。ある男性の異世界で撮った「小学校」「公園」「街の風景」「街の空」の写真。全てがこの世界に実在する本物の写真です。

まとめると、『きさらぎ駅』を異世界と思っていることがフィクションであり、この物語で本人に起きた事(脳が防御反応で勝手に起こした行動)や撮った写真についてはノンフィクションということです。

よって、写真に撮られた『きさらぎ駅』は日本のどこかに存在します。

※あくまで筆者の考察ですので、解釈はひとそれぞれに任せます。

都市伝説【urban legend】まとめ

現在でもこの物語が、語り継がられる理由は、怖いけど知りたい!という人の好奇心を上手く掴んだ作品だからではないでしょうか?恐怖するのに恐怖したいって矛盾してますよね?

例えば、キモカワいい、ダメ男だけど付き合ってるー、クソ美味しい、甘酸っぱいとか(笑)。結構、知らず知らずのうちに、矛盾を受けいれていることって多いですよね。

そもそも矛盾って言葉自体”矛盾”ですけど(笑)

それでは最後までご覧いただきありがとうございました!

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