万有引力の歴史とは?発見した人は誰?

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万有引力の歴史とは?発見した人は誰?

万有引力と言えば、万有引力の法則が有名です。万有引力の歴史的背景と発見した人は、実際のところ誰なのか探っていきます。

【本記事の登場人物】

  1. 哲学者アリストテレス
  2. 数学/物理/会計学者シモン・ステヴィン
  3. 物理・天文学者ガリレオ・ガリレイ
  4. 天文学者ヨハネス・ケプラー
  5. 自然哲学・数学・物理・天文・神学者アイザックニュートン
  6. まとめ
万有引力の法則の発見→重力の発見→リンゴが木から落ちる→ニュートンが発見した。この連想は誤解らしいです。

それでは以下参考にどうぞ。

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万有引力の歴史とは?発見した人は誰?

万有引力の法則と発見した人は一体誰なのかを歴史上で存在した登場人物や理論(法則)を交えて以下で探っていきます。

万有引力とは

別名、万有引力の法則とも知られている。地上において質点(物体)が地球に引き寄せられるだけでなく、この宇宙においてはどこでも全ての物体は互いに引き寄せる作用(引力、重力)が影響しあっていいるという考え方、概念、法則のこと。

古代ギリシャの哲学者アリストテレス

古代ギリシャの哲学者アリストテレスの思想(考え方)

石を手から離せば自然に地面へと落ちる。

18世紀~19世紀までのヨーロッパで、この世界の物質は火・風・水・土から構成されているとい概念が支持されました。(四元質素)

アリストテレスはこの概念に、性質も形相も持たない質量に「」と「湿」の2つの相反する性質が加わると各元素が出来るとしました。

火()・空気(湿)・水(湿)・土()といったところです。また、性質の1つが反対の役割を担うと相互に転嫁(影響)するとしました。(四原質説)
  1. 石を構成する土元素(冷・乾)は、本来の場所へ戻ろうとする性質を持つ。
  2. 土元素が多いものが重いとし、それが多いほど速く落ちる。

そのため、

石を離せば手から自然に地面へと落ちる

と思想したようです。

普及したアリストテレスの思想

中世ヨーロッパでは、このアリストテレスの思想が広く普及しました。

人間は、それぞれの家に住んでいる。人間は何かの理由で家から離れることがあっても、結局はその家に帰ろうとする。小石を空中に投げれば、小石は本来の位置から離されることになり、小石は一旦は抵抗を示しながら上に上がる、結局はできるだけすみやかに、その本来の位置である地に戻ってこようとする。

以上のような考えが広まったようです。

しかし、中世の人々は、空を見上げ、天体は永久に同じ運動を繰り返しその本来の位置を持っていないように考えました。

そこで天体を霊的な存在として、天(宇宙)の世界は地上の世界「四元素(四元質素説)と全く別の法則「神学(第五元素)」が働いているのではないかと思ったようです。

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アリストテレスの思想への疑問

「土元素が多いものが重い、それが、多いものほど速く落ちる」というアリストテレスの思想について、異議や疑問を投げかけました。

オランダの数学、物理、会計学者の肩書を持つシモン・ステヴィン(1548~1620年)は、

重さが10倍に異なる2つの鉛玉を9mほど落下させ、殆ど同時に落ちる

ことを実験して確認、異議を唱えました。

自然、物理、天文学者のガリレオ・ガリレイも中世の思想の一部に疑問を投げかけたようです。

アリストテレスの異論となるインぺスタ理論

自然学者ビュリダンが提唱したもの。インぺスタ理論とは、物体はそれ自体が持つ何らかの量(運動初めに与えられた内部への力の量)によって運動を続けるという理論。

物体を投げるとインぺスタが手から物体に移って飛び続け、空気抵抗及び重力で内部のインぺスタが減少して、落下に伴って再度インぺスタが増加し速く落ちると説明しました。

アリストテレスの四元質素説、

土元素が多いものが重い、それが多いものほど速く落ちる」というアリストテレスの思想とは違い、物体の内部要因(インぺスタ理論)によるものという異論になります。

この理論は後に直線、放物、天体運動を説明するためにも使用されました。

自然学者ガリレオ・ガリレイ(1564~1642年)の仮説

イタリアの天文、物理学者ガリレオ・ガリレイは、自然学者(哲学者)ビュリダンのインぺスタ理論(いきおい理論・慣性の概念)を当時、採用していました。

しかし、ガリレオは、物体の運動をモーメント(重さ以外の距離や速度など)という考え方(ガリレオの概念)で研究します。そして、内部要因の変化によって説明されたインぺスタ理論を採らなくなりました。

落下速度はどうして増加するか?

  1. 落下距離に比例するのか
  2. 落下時間に比例するのか

上記から「落下速度は時間に比例する(仮説)」という答えを出し、動力学(古代物理学/物体の動作に及ぼす力の影響)に貢献することとなります。

ガリレイの実験と天体に関する考え

斜面で球を転がし、水平面では等速になることから「加速・減速の外的要因がない限り、いったん運動体に与えられたどんな速度も不変に保つ(類似:慣性の法則)」という考え方を導きます。

そして、

この法則が通用するのは、地上の物体のみとし、ガリレオは天体(宇宙空間にある物体)は天体で別の円運動をする性質があると考えました。

つまるところ、

  1. アリストテレスの理論は間違っている。
  2. 天体に「別の法則」が働いているという中世の考えはそうかもしれない。

と異論、思想したようです。

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ケプラーの法則

ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーによって天体運行法則、「ケプラーの法則」が唱えられました。

第1法則(楕円軌道の法則)

惑星は太陽を焦点のひとつと楕円軌道上を動く。

第2の法則(面積速度一定の法則)

惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積(面積速度)は一定である。

第3の法則(調和の法則)

惑星の公転周期の2乗は、軌道超半径の3乗に比例する。

惑星の軌道運動を素晴らしい精度で研究したのがケプラーの法則です。太陽と惑星との間になにか力が働いていることに気付いていたようです。しかし何故その法則が成り立つのか、その理由は解明されませんでした。
アイザック・ニュートンの発見

アイザック・ニュートンは太陽と惑星との間の力「ケプラーの法則」が地上の重力と同一であることを発見します。そして、ニュートンはケプラーの法則に、物体に力がはたらいて運動する時の3つの法則を打ち立てます。

運動の第1法則(慣性の法則)

ガリレオなどによって提唱されたものニュートンが基本法則として整理したもで、

すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続けるというもの。

運動の第2法則(ニュートンの法則)

物体の運動状態の時間変化と物体に作用する力の関係を示す法則で、

物体の運動状態の時間変化が、物体に作用する力に比例、方向が同じになるというもの。

運動の第3法則(作用・反作用の法則)

2つの物体がお互いに力を影響し合うとき、その2つの力の向きが反対で大きさが等しいとされる経験則で、

1つだけで物体に働く力は存在せず、必ず逆向きで大きさが等しい力がどこかに存在しているというもの。

万有引力の法則を発明した人は誰?

万有引力の法則を発明した人物は後に、近代力学の基礎を築きました。

その法則が天体でも成り立つことをケプラーの法則と混ぜます。

「物体には必ず引力が生じ、その力は物体の質量に比例し、かつ物体の相互距離の2乗に反比例する」という万有引力の法則を導きました。

その法則を発明した人物こそ、アイザック・ニュートンでした。

リンゴの重力の発見と万有引力の法則

ニュートンが万有引力の法則の発見をしたことが、重力の発見と解釈されていますがこれは間違いのようです。また、ニュートンはりんごの重力を発見したわけでもないです。

リンゴが木から落下するのを見て、万有引力を発見したという逸話が誤解の原因となったようです。

地上で物体は地面(地球)に引き寄せる外力が働くことはガリレオの貢献でニュートンの時代にも広く理解されていました。ニュートンはこれが宇宙の世界でも通用し、実際に起きている(万有引力の法則)ことを掲示しました。

万有引力の考え方
  • 後世で発見された電磁気力では、引力と斥力(反発力)があるとされていますが、重力(万有引力)では引力しか存在していません。
  • また、現在では「重力」と呼ぶ場合、地球自転の遠心力のような慣性の力、アルベルト・アインシュタインの一般相対性理論で予言される慣性系の引きずりによる力も含めてそう呼ぶらしいです。そして、これらは万有引力ではないようです。

まとめ

万有引力の歴史とは?発見した人は誰?

万有引力の法則ができた歴史的背景には、ここで挙げた歴史的著名人の他にも数々の有名人の理論や概念、疑念が発見に繋がった。

「万有引力の法則」を発見したのはアイザック・ニュートンである。

以上でまとめとなります。

それでは、最後までご覧くださりありがとうございました。

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