同調の欠点と共感との違い

PSYCHOLOGY
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今回ゼノンの継承者では、同調の欠点と共感との違いについて説明します。

  • 共感とは、他人の喜怒哀楽を共有すること
  • 同調とは、大勢の意見や態度に合わせること

共感と同調は混同されがちですがまったく違います。同調することは、社会の規範を安定させる一方、自尊心を破壊します。俗に言う同調圧力です。他人に共感することは、承認の欲求(マズローの欲求5段階説)を養います。同調と共感の違いと欠点を詳しく知れば、あなたは常に自尊心を高く持ち続け、強い絆を手に入れることができるはずです。

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同調の欠点と共感との違い

受動的に社会的な暗黙の条件の基に寄り添うのか、能動的に相手に無条件で寄り添うのかが同調と共感の違いです。同調することで社会から認められ、すぐに仲間や友人を作ることができるのが利点ですが、暗黙の条件から外れる行為をするとすぐに関係が崩れやすいのが欠点です。共感することは本能的に備わった感情から相手を認めるため、簡単に仲間や友人を作れない欠点がありますが、一度築いた絆は揺るぎないものになるのが利点です。

 

同調では仲間や友人が築きやすい利点があるのに対して、共感では仲間を築きにくい欠点があります。同様に、同調では暗黙の条件が存在するため集団から一度外れた行為をすると直ぐに仲間外れにされる欠点があり、共感では本能的な無条件が存在するため集団から外れた行為をしても受容される利点があります。

このように利点・欠点から見ても大きく違いがあります。それでは、次に共感との違いを社会心理学で用いられる同調の欠点から見ていきます。

同調の欠点/同調現象

社会心理学では、同調を同調現象と呼ばれる言葉で用いられています。また、集団の意見がある同じ方向へ傾くことを指します。

1990年代に女性や若者の間で、それまで奇抜とされてきたファッションが流行、こうあるべきだという現象が発生しました。メディアやネットで多く取り上げられるようになると、半ば強要に近い社会現象が見られました。この現象を同調現象と呼びます。

同調現象が一度発生すると、異論は全て反論と捉えられてしまいます。

同調の欠点/同調圧力

日本の同調現象は、他国と比較してみても大変強いとされています。このことは多くの米国の人に指摘され同調圧力と呼ばれています。

「皆」と同じ意見を述べる者のみ称賛され、それ以外の異論は歓迎されません。場合によっては、皆で異論を唱えた個人を倫理に背いた集団で反論し、皆は仲間意識を高めます。

同調圧力が起きると、異論者は意見を述べることを控えます(自己検閲)。これは、SNSなどでよくみられる行為です。

同調の欠点/自薦の用心棒(じせんのようじんぼう)

自薦の用心棒とは、異論する者を黙らせようと徹底的な無視や誹謗中傷(ネガティブ・キャンペーン)を行う者を指します。同調圧力が発生すると現れます。

このように同調は社会の規範を守る上で重要である一方、悪い方向へ傾くと集団の約束を確固たるものにして負のスパイラルを作り上げる欠点があります。意見を述べることをしてはいけないという暗黙の了解や集団心理は、以前記事で紹介した傍観者効果に似ています。

同調することである集団に容易に認められる一方、集団から外れた時は容易に仲間外れにされる傾向があります。

同調の観点から共感との違いをみると、共感は感情が基にあるのに対して同調は集団思想が基にあるのがわかります。

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それでは同調との違いを共感の欠点と利点から見ていきましょう。

共感の欠点

共感には統計や数字に左右されない絶対的な信頼や愛、思いやりなどが存在しますが、共感は反対に強く持ちすぎると不安や病気に悩まされる欠点があります。

共感しすぎるということは感情移入するということです。相手が抱いた感情に自分の類似する感情を高めて本物に近いものにするとも言えます。

ゼノン

例えば、役者は、演じる役の感情を架空に創造して成りきることで観客の共感を引き出します。しかし、芝居が終わっても、その役からすぐ抜け出すのは容易ではありません。

共感するということは、相手の感情に類似点を見つけるということであって、論理的には相手の感情を全く同様に自分も感じているということではありません。

共感の種類

共感の種類は、次の2つがあります。

  • 認知的共感:他者の視点に立ち共感する力
  • 感情的共感:他者の感情をくみ取り共感する力

感情的共感の利点

感情的共感をする際、霊長類などの高等動物の脳内ではミラーニューロンと呼ばれる神経細胞が活性化されます。

この神経細胞の活動が高いと次のことができると言われています。

  • 自分の感情を相手に簡単に伝えられる
  • 相手の感情を拾うことに特化した人になる
  • SNSでも感情を送受信できる
ゼノン

しかも初対面や非言語的な手掛かりなしに可能です。ミラーニューロンは各分野の間で興味深い研究対象となっています。

認知共感する利点

認知的共感をする際は、脳内のメタライゼーションネットワークが活性化します。メタライゼーションとは、相手が行動した動因を想像して想定する能力のことを指します。

つまり、相手の行動を知覚し、理解することが可能です。

共感される利点

共感するのではなく、共感されるとマズローの欲求5段階説の4段階目にある承認の欲求を満たします。

承認の欲求が満たされると自尊心が高まり、自己実現のフェーズへと成長します。

  • 共感すると脳の神経細胞が活性化し、簡単に感情を送受信できる
  • 共感されると自分の価値が認められ、承認の欲求が満たされる
  • 相互に共感すると強い絆が生まれる

まとめ

同調の欠点は、

同調することで社会から認められてすぐに仲間や友人を作ることができるが、暗黙の条件から外れる行為をするとすぐに仲間外れにされることです。

  1. 同調現象
  2. 同調圧力
  3. 自薦の用心棒

同調の共感との違いは、

受動的に社会的な暗黙の条件の基に寄り添うのか、能動的に相手に無条件で寄り添うのかが同調と共感の違いです。

  • 共感とは、他人の喜怒哀楽を共有すること
  • 同調とは、大勢の意見や態度に合わせること

共感の利点は、

統計や数字に左右されない、本能的無条件絶対的な信頼や愛(思いやり)が存在するため、集団から外れた行為をしても受容されることです。

相互に共感した場合は、強い絆が生まれるため容易に崩れない。

  • 共感すると脳の神経細胞が活性化し、簡単に感情を送受信できる
  • 共感されると自分の価値が認められ、承認の欲求が満たされる
  • 相互に共感すると強い絆が生まれる
ゼノン

共感は本能的に備わった感情から相手を認めるため、一度築いた絆は揺るぎないものになります。同調と共感の違いと欠点を詳しく知ったあなたは、常に自尊心を高く持ち続け、強い絆を手に入れることができるでしょう。

以上でまとめとなります。

最後までご覧くださりありがとうございました。

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