「呪」の意味や認識とは?

哲学
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「呪」の意味や認識とは?

「呪」とは、一般的に人や物体から離れた「霊魂」が、悪意をもって物理的手段を用いずに精神的、或いは超自然的な手段を使い対象の相手や社会全般に災いをもたらそうとする行為を指します。また、人が人を呪い殺めるために行われた「呪」は、古来日本では「呪詛(じゅそ)」と呼ばれました。

「呪」の意味や認識、そして呼ばれ方は世界各地で異なっています。今回は、日本に限定して「呪」の意味や歴史的な認識の違いを探っていきます。

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「呪」の意味とは?

」は「祝詞(のりと)」と同じ語源的な意味を持ちます。祝詞とは「のりと」と読み、日本の宗教(神道)や伊勢神宮に属する諸々の神社で行われる祭り(祭祀)の際に「神」に唱える言葉のことを指します。つまり「呪」は、何も否定的な意味合いだけを持つというわけではないようです。

また、日本では「呪」を肉体から離れた人の霊魂や動物の心霊が行う「祟り」という行為を意味します。更には、「呪術」とも関係が深いです。しかしながら、「呪」は殆ど悪い意味で用いられるのに対し、「呪術」は、善悪の意図を関係なしに用いられます。

「そうなんですね!」

ゼノン
ゼノン

怖いですよ!顔が!

このように「呪」は、肉体を持つ人が行う際は、「呪文」や「祈祷」、他にも「呪術」、「宗教」など様々な場面で用いられています。そして「呪」は、「神」や「悪」といった超自然的な霊の力を借りる行為とも考えられています。日本では、代表的な呪いの行為として「丑の刻参り」があります。これは呪術、すなわち「呪」として捉えられています。一見、「呪」という言葉は、抽象的な意味で用いられることが多いですが、「丑の刻参り」などを良い例として、具体的な意味も持ち合わせています。

以上から「」というものは、善悪を意図しない行為にも該当しますが、殆どが悪い要素として捉えられています。また、その言葉は様々な場面で多様されていますが、「祟り」や「呪術」、或いは「祝詞」や「丑の刻参り」など形を変えて表現されています。そのため、「呪」は抽象的且つ、具体的な意味を持ちます。

ゼノン
ゼノン

前回記事にした「悪」と同様、奥が深そうです。

抽象的であり具体的な意味で用いられる「呪」ですが、現代の日本と古代の日本ではどのように認識されているのでしょうか。次の章では、「呪」の認識の違いについて探っていきます。

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「呪」の認識とは?

結論から言うと、現代の日本において「」とは超常現象という認識がされているようです。そのため「呪」の行為自体は、不能犯と扱われているため処罰の対象外とされています。

しかしながら、前に話した「丑の刻参り」で用いられる「藁人形」を被害者に見せつけて誇示することや呪っているという事実が証明されると脅迫罪又はストーカー行為等の規制等に関する法律違反とみなされ、容疑者として摘発される場合もあるようです。

一般的に、現代においても丑の刻参りの認識は、「他人に見られると呪いの効果がなくなり、行為者に跳ね返ってくる」とされています。このことから、呪っている証明として「藁人形」を被害者に見せつけるという行為はごもっともな結果です。

そう考えると「」の認識は、不思議なところです。

「確かに!!!」

ゼノン
ゼノン

同感です。

次に古代の「」に該当する「呪詛」の認識を探っていきます。

呪詛には、古代中国から用いられた「蟲毒(こどく)」や「巫蟲(みこ)」、と呼ばれる呪術がありました。古代日本、757年天平宝字(757年~765年の頃の日本の年号)の頃は、呪詛に該当する行為は、養老律令(掟・法律)の賊盗律に当たり処罰対象と確定されていました。つまり「呪」は、れっきとした違法行為と認識されていたことになります。

当時、呪詛行為をして処罰対象と罰せられた人物は、呪術者だけでなく地位や家柄が高い者、そして意外なことに僧侶も含まれていたようです。更に驚くことに、他人の国家を呪ったとして、井上内親王と呼ばれる当時の天皇の皇后までも処罰対象となり罰せられたのです。

しかし一方で、朝廷は、平安時代中期に起きた承平天慶の乱(平将門乱・藤原純友の乱の総称)の時に呪詛を用いて対応しています。有名な鎌倉時代中期に高麗の国によって侵略を危ぶまれた元寇(文永の役・弘安の役)でも使用しました。

高麗の国は元寇で、二度の日本侵略を試みましたが、暴風雨により元の船を転覆させられ敗北しました。日本は、高麗と比べると圧倒的に戦力不足でしたがこのことにより見事勝利をおさめました。

ゼノン
ゼノン

「元寇の神風」は、現代でも尚語り継がる有名な話ですよね。

因みに、人を呪わば穴二つという言葉は有名ですが、語源は平安期に遡ります。

陰陽師は、人を呪殺しようとする際、呪い返しに遭うことを覚悟し、墓穴を自分の分も含めて二つ用意させたことが由来です。

「…え⁉知らなかった!」

以上のことから、古代の日本では、「呪」という超常現象は「極めて危険で力がある」と認識されていたようです。

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まとめ

「呪」の意味や認識とは?

「呪」の意味とは?

「呪」の意味は、「祝詞」と同じ語源を持つことから、否定的な要素のみを含んでいない。また、「呪術」と関係が深く、「呪」は殆ど悪い意味で用いられる。しかし、「呪」は「祟り」や「宗教」など、さまざまな言葉や行為、場面で形を変えて頻繁に用いられるため、意味を沢山持つ。

「呪」の認識とは?

現代の日本において「呪」は超常現象と認識されている。そのため、処罰の対象にならないが、「丑の刻参り」などで使う藁人形を被害者に見せつける行為や呪っているという証拠が、脅迫罪に該当する場合は脅迫罪又はストーカー行為等の規制等に関する法律違反とみなされて処罰される。

古代の日本において「呪」は超常現象「極めて危険な力」と認識されていた。現代と違うのは、「呪詛」に該当する行為、つまり「呪」は処罰対象に値するという点。

以上でまとめとなります。

<まとめの感想>

結構、「」って不思議です。

現代の日本と古代日本の歴史において、「呪」は同じ超常現象という認識を持ちます。古代においては「呪」は処罰対象に対し、現代においては直接的ではないですが、結果、遠回しに「呪」を禁じているように思えました。

「人を呪わば穴二つ」は、陰陽師に由来するとは知らなかったです。ちなみに、陰陽師とは現代で例えるなら国家機密機関に属する超エリート頭脳集団のことです。

頭脳集団が「呪」を丁重に扱っていた過去があるなら、もしかすると「呪術」は今尚存在しているのではないかとロマンが広がりました。

「元寇の神風」も「呪」が関係していますし、「丑の刻参り」は失敗すると跳ね返ってくるという認識がされている点に関して言えば、呪っていると証明として「藁人形」などを被害者に見せつける行為は処罰対象になるということは、「一理」あるように思いました。

ゼノン
ゼノン

皆さんは「呪」をどう思いますか。信じますか、信じませんか?

それでは、最後までご覧くださりありがとうございました。

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